今回の転職にあたり、転科を検討している医師の方がいらっしゃるのであれば、少しお考え頂きたいのが病理科への転科についてです。概ね、転科を検討している方の視野に最初から病理科が含まれていることはあまりないものと思いますが、実は密かに需要が高い科目であるため、転職に求めるニーズさえマッチするのであれば、一つの良い選択であることは間違いないでしょう。そこで、今回は転科を検討している医師の皆さまに、病理科の需要、そして転職市場の動向についてお伝えしたいと思います。

人手不足だが求人数が少ない病理科

病理科医は、皆さまもご存じの通り病理診断のスペシャリストでありますが、実は人手不足の状況に陥っているという事実をご存じでしょうか。日本医師会が行った必要医師数調査の結果によると、その不足率は73%程度であり、厚生労働省が行った必要医師数実態調査をみても、およそ2割程度の医療機関において医師数が不足しているという結果が出されています。つまり、あまり大きく取り上げられることはないのですが、実は病理科医においても医師不足の問題が勃発しているのです。
そもそも、病理解剖には診療報酬がつきません。そのような性質があることから、地域における民間の病院等においては病理科そのものがないという現状が既に当たり前となっているのです。そのため、基本的に病理科があるのは、大規模の病院のみとなっています。このような現状があるため、医師は不足しているものの、求人募集をみかけることも少なく、定員数も限られているのです。
また、同じ医師不足の状況とは言え、病理科に関しては勤務条件等を自由に選ぶことが難しい状況であることは確かです。

 

QOLを重視したい医師が転科先に選ぶケースが多い

ただ、病理科を選ぶにはそれ相応のメリットもあります。特にポイントとなるのは、QOLを重視したい医師の皆さまにお勧めであるということです。病理科の仕事は、基本的に病理診断に係るものとなりますので、当直やオンコールといったものとほとんど関係がありません。つまり、時間的に余裕をもった生活を行うことができるのです。そのため、子育てや妊娠されている女性医師や、プライベートにおいて様々な時間的制約を抱えている医師の方にとって、活躍しやすい現場であることは間違いありません。
労働時間の調整がきくこと、プライベートの時間を大切にしながら仕事を続けたいと考えておられる医師の方にとっては、とてもお勧めの科と言えるでしょう。

患者を担当したり当直がなく負担は少ない

病理科は、基本的に病理診断や細胞診断などの検査を通じて、いわば情報を他の診療科に渡すことが主な業務となります。そのため、直接的に患者と接触する機会も少なく、ましてや担当する事等はほとんどありません。また、当直やオンコール対応なども少ないとされます。
このように、負担が少ないことから、前述にようにQOLを重視する医師が転科先として選ぶケースが非常に多くなっているのです。