医療業界における医師不足の状況は以前より極めて深刻ではありましたが、その中でも特に問題が顕著とされているのが小児科です。一部の科においては、医師不足が続くものの、医師数そのものはゆるやかに右肩上がりとなっており、回復傾向がみられています。しかし、小児科医に関しては、厚生労働省の必要医師数実態調査などを確認しても、依然として慢性的に不足していることが明らかとなっています。
そこで、現在の小児科の需要がどのようになっているのか、そして転職市場の動向について改めて確認をしてみましたので、ぜひご覧いただければと思います。

いまだに医師不足が続く小児科

数ある求人サイトで小児科に関する求人を検索すると、全国的に求人が多く、一目で深刻な医師不足であることが確認できます。小児科における医師数ですが、平成22年にまとめられている情報によれば、その段階ではおよそ現員医師数が8500人ほど、当時の必要求人医師数が950人ほどになっていました。
厚生労働省の調査、病院等における必要医師数実態調査の概要を確認してみると、やはり小児科の医師が不足しているという実態がそこにも書かれています。
しかし、医師の皆さんの中には「少子化が続いているのに、小児科医が不足しているという状況に違和感を覚えている」方もいらっしゃるかもしれません。

小児科医として勤務している医師の皆さんは既におわかりでしょうが、少子化の進行とは裏腹に、医師不足の状況も深刻化している背景には、様々な問題があるのです。
例えば、十分なスキルを持った小児科医の高齢化、そして小児科医自体の減少、また、夜間の緊急外来などが以前よりも増加しており、各員の負担そのものが根本的に増しているのです。
また、需要が依然高い状態のままであること、地域による偏在化などもこのような問題に拍車をかけていると言えるでしょう。小児科医は常勤医の募集が多く、転職市場の動向としては、売り手市場が続いていると言えますが、中でも女性医師に人気が高い診療科目の1つとして知られています。

小児科の医師にはコミュニケーション能力も求められる

売り手市場が続く小児科ですが、もし皆さんが「まだ小さな子たちを救うために頑張りたい」という志を持たれるのであれば、どのような人材が医療現場において求められているのか、その需要や医師像を把握することは重要です。現在の傾向としては、小児科医にはスキルが求められるのも確かではありますが、それ以上にコミュニケーション能力を求められる機会が増えてきています。
スキル、条件等はマッチするが、採用に至らないとする医師もおられるのですが、そこにはコミュニケーション能力の問題、人柄などが絡んでいるようです。特に小児科の場合は、お子様が患者としての対象となるものの、実際にはそのご家族とも接さなければいけません。子供に対する接し方、親族の方に対する接し方など、柔和な対応力などが求められるのです。
そのため、現在では「スキル、条件面の一致だけで採用に至る」ことが、難しくなってきています。

子どもは症状を上手く説明できないことも多い

また、小さな子は自分自身の症状を上手く説明できないことも多く、ご両親等からヒアリングすることも多いと思いますが、上手に話を引き出すテクニックや、子どもの仕草や感情など、観察できる部分から感覚的に理解する能力が求められます。そういった性質が必要となるため、小児科医には向き不向きなども関係してくるでしょう。

親へのカウンセリングも必要

前述の通り、患者は子どもになるのですが、実際にはご両親の方が子どもよりも心配しているというケースも少なくありません。症状の良し悪しはさておき、心配されているご両親などの気持ちの面でのケア、アフターフォローなども小児科医にとっては重要な仕事です。子ども、ご両親ともにポジティブな気持ちを維持していただきながら、医師としてすべきことをする、そのような姿勢が求められるため、対応するためには人柄なども重要であるとされます。

総合病院だけでなく外来中心のクリニックの求人も多い

小児科医は、総合病院において需要が高いという印象がありますが、実は外来や検査を中心に行うクリニックや、在宅・訪問診療の現場においても需要が高くなっています。内科も診療することができるのであれば、このような現場では好条件での優遇が期待できます。当サイトでは神経内科の需要についての記事も執筆していますのでこちらもご覧いただけたら幸いです。