医師のキャリアアップへ繋がる―救命救急科の需要と医師転職の動向

求人ニーズが極めて高い領域の一つ、救命救急科に関して、転職をご検討されている医師の皆さんはどのような印象を持たれているでしょうか。救命救急科の業務と言えば、一般的な印象としては「非常に厳しい労働環境」と考えている方も多いと思います。事実、24時間365日、基本的に対応をすることを求められるため、医師にかかってくる負担は相当のものです。ただ、医師に偏る負担を減少させるべく、昨今では勤務体制を完全交代制にするなどの対応を行っている医療機関も増えており、労働環境に関して言えば改善傾向が見られると考えてもいいでしょう。全国の救命救急センターや、救急指定病院などを含め、全体としての需要は非常に高い科であることから、一度は転科先として検討されたことのある医師も少なくないものと思います。
そこで、若手のキャリアアップに最適とも評される救命救急科の需要、そして医師転職に関する市場の動向をお伝えしてまいりたいと思います。

若手医師の求人が多い救命救急科

救命救急科のニーズは高く、医師数も十分に満足していないという状況があるのをご存じでしょうか。選任の救命救急医が病院におらず、他の診療科の医師がローテーションを組んで対応している病院も決して少なくはありません。前述の通り、救命救急センターや指定病院、地方の総合病院等では特にそのニーズが高くなっているのですが、実は若手医師を募集する傾向が高いのです。
しかし、若手の医師と言えば通常は求人に掲載されている待遇面がそれほど良くないのが一般的ですよね。しかし、実際には求人募集に掲載されている給与条件の平均が1500万円前後となっており、実に高い水準で募集されていることが分かります。科の性質的に、若くて体力のある医師の方が優遇されるという状況は分かりますが、それでも平均的な待遇がこれほど良いことには驚きを隠せません。

救命救急科の医師は幅広い知識が要求されるためキャリアアップにも繋がる

もし皆さんが救命救急科への転職を検討されているのであれば、キャリアアップに繋がるという事実については知っておいて頂きたい所です。救命救急科では、診療科医に関わらず、全ての科に関する初期診療を行うことと共に、緊急度に関する判定が最重要となります。このような性質があることから、基本的にはジェネラリストな医師が求められているのです。また、取り扱う症例数が非常に多く、外科内科を問わず、幅広い知識、経験、技術が要求されるため、医師として高いスキルを身につけることが可能です。また、将来に向けてキャリアアップを目指すのであれば、環境は正に理想的といっても過言ではありません。
他の科の専門医たちとコミュニケーションを取りながら行う各業務を通して、診断力、処置能力、連携能力などが磨かれるため、特に若手の医師にお勧めの現場であることは間違いないでしょう。

脳神経外科や麻酔科出身の医師も求められている

救命救急科では、脳神経外科や麻酔科出身の医師に関するニーズは極めて高まっています。どちらの科も緊急度の高い場であり、培ったスキルを活かすのに救命救急科は最適と言えます。人材不足の中、少しでも高いスキルを持った医師に注目が集まる事は間違いありませんが、もし脳神経外科あるいは麻酔科での経験をお持ちなのであれば、好条件を期待することができることは間違いないでしょう。

救命救急科は激務のイメージがあるがやりがいも大きい

全体を通して、救命救急科に関する転職事情を少しはお分かり頂けていれば幸いです。この科は、産婦人科や小児科と比べても非常に激務のイメージが強く、敬遠される医師の方も決して少なくはありません。しかし、救命救急における重要なポジションの仕事であり、命に直結する現場での勤務となることから、非常にやりがいが大きく、強い責任感、様々な能力を磨きあげる事が可能です。自然災害などが多発する昨今では、救助に関する中核を担うこともあり、常に高いニーズもあります。
医師としてのキャリアアップを目指している、あるいは高いスキルを身につけたい、命を救いたい、そのような志を持たれているのであれば、救命救急科は非常にお勧めです。

手術の対応力が求められる産婦人科の需要と医師転職の動向

医療業界で深刻な医師不足にあえいでいる科目を挙げるとすれば、真っ先に思い浮かぶのが産婦人科かもしれません。減少の止まらない産婦人科医、近年では、この問題に対して様々なアプローチがかけられるようになってきたのはご存じでしょうか。週の勤務日数を4日に減らす、医師の報酬を高める、主治医制を排除するなど、様々な工夫を行う医療機関が増えているのです。働き方、また、雇用する側の意識や対応が変わっていく中で、現在の産婦人科医のおける需要と、医師転職に関する動向をお伝えしてまいりたいと思います。

医師への負担が大きく医師不足状態の産婦人科

少子高齢化が続く中、負担は依然よりも小さくなっているのでは?と見られる産婦人科医。しかし、現状としては依然として人手不足の状態であることに変わりはありません。求人数を確認してみると、内科及び整形外科に次ぐ求人数であることも分かっています。
医師不足は想像以上に深刻な状態であり、産科自体が閉鎖に追い込まれる、分版に関する受け入れ制限を行うなど、各病院では厳しい状況に追い込まれています。そもそも、産婦人科医は労働環境が非常に厳しいことでも有名です。当直、オンコール対応はもちろん、休日もままにとることが許されない環境で勤めている医師も数多くいらっしゃいます。また、訴訟リスクも高いことから、現代では敬遠される事が多いという事実こそが、産婦人科医の減少に拍車をかけているのでしょう。

産婦人科は労働環境の改善が見直されている

しかし、冒頭でも少しお伝えした通り、実は産婦人科では労働環境そのものを大幅に改善するべく、労働条件面での改善や、女性医師の職場復帰を支援する活動の活性化、子育てと仕事を両立させるための施策展開など、様々な面で動きをみることができます。また、求人案件をみていても、働きやすい環境であることが分かるようなものも増えてきているという事実は、転職を検討している皆さんにとって明るいニュースかもしれません。
特に、女性医師の労働環境問題は大きく取り上げられることが増えてきていますが、中でも産婦人科における待遇、環境の改善は顕著なペースで進んでいるものとみられます。
全体としても、以前と比較し「働きやすくなっている感」は、分かる形で現れてきていますので、これまで敬遠されていた医師の皆さんには、産婦人科医を視野に入れることも、ぜひ再考して頂ければと思います。

転職時にはその病院の環境も確認しよう

前述の通り、産婦人科医における労働環境改善の動きは加速度的に増していることもあり、医師の皆さんにとっては一つの朗報であるとも言えます。女性医師にとっては特に嬉しいニュースかもしれませんが、もちろん男性医師にとっても選択の幅が広がる材料になったのではないでしょうか。
ただ、皆さんには転職時に気を付けてほしい部分があります。それは、上記のような労働環境改善に積極的な医療機関ばかりではないということです。確かに、全体の流れとしては大きく広がっているものの、やはり環境自体はそのまま変わらず…とする医療機関も決して少なくはありません。つまり、もし皆さんが転職活動において産婦人科での勤務を目指すのであれば、目当てとなる病院の環境をしっかりと確認しなければいけないということです。もし一見、良さそうに見えたとしても、十分に注意を払うことが肝要です。

手術の対応力が高い医師は需要が高い

では、産婦人科医として転職を目指す場合、どのような医師の需要が高いのでしょうか。率先して挙げられる条件としては“手術に関する対応力の高さ”が求められるでしょう。産婦人科では、名前の通り「産科関連の問題、婦人科関連の問題」と大きく分けて2通りの対応が求められますが、概ね患者の生命に直結している診療科であります。その中では、分娩数や手術件数、不妊治療経験の有無など、様々なものが求められますが、一番は手術への対応力となります。特に都市部を中心にニーズが高いため、希望する場合には注意が必要です。

求人数は多く未だ続く医師不足―小児科の需要と医師転職の動向

医療業界における医師不足の状況は以前より極めて深刻ではありましたが、その中でも特に問題が顕著とされているのが小児科です。一部の科においては、医師不足が続くものの、医師数そのものはゆるやかに右肩上がりとなっており、回復傾向がみられています。しかし、小児科医に関しては、厚生労働省の必要医師数実態調査などを確認しても、依然として慢性的に不足していることが明らかとなっています。
そこで、現在の小児科の需要がどのようになっているのか、そして転職市場の動向について改めて確認をしてみましたので、ぜひご覧いただければと思います。

いまだに医師不足が続く小児科

数ある求人サイトで小児科に関する求人を検索すると、全国的に求人が多く、一目で深刻な医師不足であることが確認できます。小児科における医師数ですが、平成22年にまとめられている情報によれば、その段階ではおよそ現員医師数が8500人ほど、当時の必要求人医師数が950人ほどになっていました。
厚生労働省の調査、病院等における必要医師数実態調査の概要を確認してみると、やはり小児科の医師が不足しているという実態がそこにも書かれています。
しかし、医師の皆さんの中には「少子化が続いているのに、小児科医が不足しているという状況に違和感を覚えている」方もいらっしゃるかもしれません。

小児科医として勤務している医師の皆さんは既におわかりでしょうが、少子化の進行とは裏腹に、医師不足の状況も深刻化している背景には、様々な問題があるのです。
例えば、十分なスキルを持った小児科医の高齢化、そして小児科医自体の減少、また、夜間の緊急外来などが以前よりも増加しており、各員の負担そのものが根本的に増しているのです。
また、需要が依然高い状態のままであること、地域による偏在化などもこのような問題に拍車をかけていると言えるでしょう。小児科医は常勤医の募集が多く、転職市場の動向としては、売り手市場が続いていると言えますが、中でも女性医師に人気が高い診療科目の1つとして知られています。

小児科の医師にはコミュニケーション能力も求められる

売り手市場が続く小児科ですが、もし皆さんが「まだ小さな子たちを救うために頑張りたい」という志を持たれるのであれば、どのような人材が医療現場において求められているのか、その需要や医師像を把握することは重要です。現在の傾向としては、小児科医にはスキルが求められるのも確かではありますが、それ以上にコミュニケーション能力を求められる機会が増えてきています。
スキル、条件等はマッチするが、採用に至らないとする医師もおられるのですが、そこにはコミュニケーション能力の問題、人柄などが絡んでいるようです。特に小児科の場合は、お子様が患者としての対象となるものの、実際にはそのご家族とも接さなければいけません。子供に対する接し方、親族の方に対する接し方など、柔和な対応力などが求められるのです。
そのため、現在では「スキル、条件面の一致だけで採用に至る」ことが、難しくなってきています。

子どもは症状を上手く説明できないことも多い

また、小さな子は自分自身の症状を上手く説明できないことも多く、ご両親等からヒアリングすることも多いと思いますが、上手に話を引き出すテクニックや、子どもの仕草や感情など、観察できる部分から感覚的に理解する能力が求められます。そういった性質が必要となるため、小児科医には向き不向きなども関係してくるでしょう。

親へのカウンセリングも必要

前述の通り、患者は子どもになるのですが、実際にはご両親の方が子どもよりも心配しているというケースも少なくありません。症状の良し悪しはさておき、心配されているご両親などの気持ちの面でのケア、アフターフォローなども小児科医にとっては重要な仕事です。子ども、ご両親ともにポジティブな気持ちを維持していただきながら、医師としてすべきことをする、そのような姿勢が求められるため、対応するためには人柄なども重要であるとされます。

総合病院だけでなく外来中心のクリニックの求人も多い

小児科医は、総合病院において需要が高いという印象がありますが、実は外来や検査を中心に行うクリニックや、在宅・訪問診療の現場においても需要が高くなっています。内科も診療することができるのであれば、このような現場では好条件での優遇が期待できます。当サイトでは神経内科の需要についての記事も執筆していますのでこちらもご覧いただけたら幸いです。

老健・在宅診療所でも求められる麻酔科の需要と医師転職の動向

麻酔科医の需要は比較的高く、勤務医のみならずフリーで勤める医師も多い科ですが、近年では幅広い分野に対して、柔軟な対応が可能な医師が求められる傾向が出てきています。ペインクリニック、救急医療、総合診療など、様々な分野に対応することが可能である麻酔科医を求めている病院が多く、そのような場所では売り手側である医師の希望が通りやすい傾向もみられます。
そこで、老健や在宅診療所においても需要が高まりつつある麻酔科医の需要、そして転職動向について少しまとめてみました。

多くの病院で常勤医師が在籍している麻酔科

麻酔科医は、基本的に非常に多くの病院が常勤医師として確保に動いていることから、常勤の麻酔科医が在籍していない病院の方が少ないかもしれません。特に、公的病院では上記いにの求人募集自体も多く、術前術後の麻酔の管理、オンコール担当が大半と言われています。以前は、麻酔科医の常勤が増加しない理由とされていた当直及びオンコール対応に関しては、その負担を軽減しようとする動きが活性化していることもあり、常勤医として勤める麻酔科医が増加しているものと思われます。また、麻酔科医は中規模以上の病院に勤務医として勤める医師が多いという情報もみられます。

昨今、麻酔科医に対するニーズが広がっていることはご存じでしょうか。緩和ケアやペインクリニックなど、活躍することが可能なフィールドが広がったため、幅広い医療機関からの募集が増加しているのです。そして、その増加した求人募集に対して、市場のニーズはまだあまり満たされていません。

精神科や小児科と同じぐらい医師不足の麻酔科

実は、麻酔科医の不足状況は、精神科・小児科と同様のレベルであるという事実はご存じでしょうか。手術中
における麻酔管理だけでなく、様々な場面における需要が高まっている中、実は全国の麻酔科医は10000人前後しかいません。全身麻酔を必要とする手術の件数が、年間に250万件を超えると言われていることを考えると、1人あたりが年間に210件をこなさなければいけない計算になるのです。
このように改めて考えてみますと、麻酔科医が如何に不足しているのか、その実情がありありと浮かび上がってきます。求人情報に関しても全国的に募集そのものが多く、やはり実態としては、慢性的な麻酔科医不足が起きていることは明らかとみられます。

麻酔科は老人保健施設、在宅診療所でも求められる

麻酔科医が不足している中、緩和ケア、ペインクリニック、救急など、様々な現場における需要が高まり続けているため、人手不足の状況は今後もより深刻化していくものとみられます。圧倒的な売り手市場であることから、条件面では厚遇されることが多いかもしれませんが、その需要は老人保健施設や在宅診療所にも広がっています。
労働時間が不規則となりがちな麻酔科医の常勤勤務ですが、近年では在宅緩和ケアなどにおいてワークライフバランスのとりやすい求人案件なども増えているようです。
麻酔科医の転職に関しては、勤務先となる施設が多彩となってきていることから、転職先さえ選択を間違えなければ、ご自身の希望する条件のものをみつける事も容易と言えるでしょう。