地域の診療所などで需要高まる。整形外科の需要と医師転職の動向

整形外科の需要が今、高まっていることを皆さんはご存じでしょうか。各都道府県が、地域医療対策に向けて力を入れる一方、高齢化が進む過疎部では整形外科医のニーズが高まり続けているのです。
もちろん、それだけがニーズ増加の要因ではありません。そもそも、整形外科は専門とする領域も広く、対象とする層が広いという特徴があります。幅広い年齢層が対象であること、治療内容が多岐に渡ることから、患者数がとても多いという特徴があります。また、高齢化社会への進行と共に骨疾患等の増加もみられ、今後もそのニーズは高まり続けるでしょう。そこで、今回は整形外科の需要、転職動向についてご紹介したいと思います。

専門性の高い分野は求人数が多い整形外科

基本的に需要が高い整形外科医ですが、中でも専門性の高い分野に関してニーズが高まっています。整形外科医の専門領域は、関節リウマチ、スポーツ医、小児整形や運動器リハビリテーションなど、かなり多岐に広がっていますが、いずれにせよそれらの領域に症例を積まれた医師のニーズが高まっていると理解して頂ければと思います。つまり、各領域の専門医・スペシャリストであれば需要が高いと言うことですね。
全体的な求人数も多く、医師不足の状況であることは間違いありませんが、実際に転職を検討されるのであれば、各地域の患者様の層や、各医療機関の考え方等を把握した上で、転職先を探されることをお勧めいたします。

地域の診療所でも整形外科の医師が求められる

冒頭でもお伝えした通り、昨今では地域医療を担う整形外科医が求められています。地域における総合病院、診療所などでも需要が高く、オペのない施設も多数あります。ただ、地域における整形外科医のニーズとしては、ジェネラルに対応する能力を求められることも多く、特に関節リウマチ、スポーツ医などの専門性を保持している医師へのニーズが高い傾向がみられます。
今後は、同様のニーズが高まり続ける機運があることから、整形外科医として地域医療を志されるのであれば、ぜひ参考にしていただければと思います。

転職時には地域の特性まで把握する必要あり

先ほども簡単にお伝えした所ですが、整形外科医そのものへの需要は非常に高く、転職先に困ることは恐らくないでしょう。今後もそのような傾向が続くことは容易に予測することができますが、実際にはある種の専門性をもったスペシャリスト、あるいはジェネラリストが求められる傾向が高まっています。
整形外科医の診療内容は多岐に渡るため、高いスキルを求められる事は以前から多いものと思われますが今後は高齢者の持つ慢性的な疾患を対象とする募集なども増加してきます。転職に関して、好条件を目指したいのであれば、指導医、脊椎・脊髄専門医など、専門性に特化することがより求められるようになるでしょう。

今後医師不足が進む可能性がある呼吸器外科の需要と医師転職の動向

今、呼吸器外科の医師不足が深刻化しているという事実を皆さまはご存じでしょうか。呼吸器外科の業務は、他分野の手術と比較した場合、より高度なスキルを要求されます。そもそも、肺自体が物理的に損傷しやすくもろい臓器と言われており、肺動脈に至っては人体中でもっとも弱いと評されている部分です。未熟な医師が触れることは難しく、高い習熟度を必要とするため、適正のない医師が安易に取り扱うことはできないでしょう。そのような背景も、医師不足の一端を担っているのかもしれません。
そこで、今回は呼吸器外科の需要、そして転職市場の動向についてお伝えしたいと思います。

呼吸器外科の医師数は1つの県あたり約26人

そもそも、呼吸器外科は慢性的に医師が不足している診療科目の1つです。今後は、高齢者の増加、肺がん等を中心とした疾病の増加が見込まれているため、よりディープな状況に陥る可能性が認められています。呼吸器外科に関しては、専門医資格を取得後、規定数のオペ実績や論文作成などの課題をクリアし、初めて専門医の資格取得が可能な科ですが、このような高いハードルが設定されていることもあり、医師数は1県あたりでなんと26~27人前後しかいないという事実が明らかとなっています。呼吸器外科専門医の総数も、2013年の時点では1315人と、かなり少数であることが分かります。そのため、潜在的なニーズが以前より高く、基本的に売り手市場が続いていると考えてもいいでしょう。
また、呼吸器外科医は減少が続いているため、疾患の増加と共に需要が高まることは間違いなく、大学病院ですら呼吸器外科医が2名~3名程度しか在籍していないという地域もあるのです。この状況は逆に考えてみれば、これから皆さんが呼吸器外科医を目指したとしても、実力を十分につけた頃には様々なポストが空いているとする予測すら可能だと言うことです。

呼吸器外科のある病院は少ないが、これから需要が高まる可能性が高い

呼吸器外科自体が、現在は絶滅危惧科とも言われています。東京や大阪など、一部の大都市を除いた場合、都道府県毎の在籍人数は多くて十数名程度であり、担い手自体がほとんどいないという状態です。
学会自体も現在の状況に懸念を抱いており、今では日本呼吸器外科学会のサイトにも、呼吸器外科がいかに素晴らしいのか、その魅力をアピールするページが作られています。
ただ、肺がん、肺炎などの疾病が著しく増加してきていること、今後の高齢化に従って更なる増加が見込まれていること等から、需要が今後大幅に高まっていくことは間違いないものと考えられています。現在、呼吸器外科を標榜している病院は少ないものの、将来的には需要の高まりと共に増加する可能性が指摘されています。

また、呼吸器外科を目指す医師に知っておいて頂きたいのが「呼吸器外科は、外科の中でも多忙ではなく、ワークはシンプルである」と言われている事実です。忙しい病院では多忙を極めるかもしれませんが、機能不全の臓器を修復するようなオペもほとんどなく、呼吸不全の方を手術するようなこともまずありません。よって、基本的には外科の中でも負担が少ないと言われているのです。

医療機関の規模によっては他領域との兼任を求められる場合も

就業した医療機関の規模によっては、他領域の外科と、兼任を求められることもあります。というのも、呼吸器外科には専門医が少なく、ニーズそのものは極めて高いのですが、呼吸器外科を標榜している病院自体が少ないため、消化器外科、あるいは乳腺外科など、他の外科と兼任が可能な医師が求められる傾向がみられています。

女性医師の需要が高い乳腺外科―乳腺外科の需要と医師転職の動向

患者数が増加傾向にある乳腺外科は、まだ診療科そのものが新しいという事情もあり、施設や専門医の数は多くはありません。しかし、増加の続く乳がん等の予防や治療に携わることから、今後ニーズが高まっていくことは間違いないものとみられています。そこで、今回は女性医師の需要が高いとされる乳腺外科の需要状況と、転職市場の動向についてまとめてみたいと思います。

乳がん検診の需要が増え、それに伴い乳腺外科の需要も高い

乳腺外科の需要に関しては、もっとも大きいものが乳がん検診の需要でしょう。患者数の増加そのものも需要の増大に貢献しているものとみられますが、やはり現在は乳がん検診が以前以上に普及してきたことが主な要因と感じられます。そのため、乳腺外科に必要とされる人材は、女性医師であること、そして検診に関するスキルや抗がん剤治療に関する経験を持っていることが条件として挙げられます。これらのスキル・経験を持っていれば基本的には乳腺外科医として歓迎されると考えてもいいでしょう。
H22の厚生労働省における必要維持吸う実態調査の結果としては、乳腺外科の医師数は当時700人強という数字だったため、外科系の中でも少数とされていました。しかし、昨今では前述のような背景があり、特に都市部を中心に乳腺外科に対するニーズはおおきく高まってきています。乳がん検診、婦人科検診等を行う医療機関も大幅に増加し、スキルを持った乳腺外科医が必要とされています。

視触診が多いため女性医師の需要が高い乳腺外科

乳腺外科では、皆さんも既にご存知かもしれませんが視触診が多いため、圧倒的に女性医師の需要が高くなっています。乳腺外科以外ですと、小児科も女性医師が多いと言われています。事実、現場で大手を振って活躍している乳腺外科医の医師は女性が大半です。患者のほとんどが女性ですから、求人案件自体に「女性医師を希望する」と明記されていることも少なくありません。
また、女性医師からも乳腺外科医に対しては熱い注目が集まっているのですが、その理由はワークライフバランスを取りやすい環境が整っているクリニック等が多いためとみられます。そもそも、急患自体が少ない分野であるため、オンコール対応や緊急のオペなどがほとんど皆無であり、女性のライフスタイルに合わせた勤務環境を探すことが容易なのです。対象となる勤務先として選ばれやすいのは専門のクリニックだけでなく、大病院等でも同様の環境での勤務が期待できることが多いようです。
女性医師にとっては、妊娠、出産、育児といったイベントは外せないもの。仕事と家庭の両立を上手く目指したい女性医師にとっても、需要が高いのです。

乳房視触診、マンモグラフィ読影ができると転職に有利

では、女性医師が乳腺外科医として転職を成功させるためにはどのようにすればいいのでしょうか。
それには、先ず市場でどのようなスキルを持った人材が求められているのか、優遇されているのかを知る必要があります。特にニーズが高いとみられるのが、乳房触診、マンモトーム生検、マンモグラフィ読影です。乳がん検診を行う医療機関が非常に多くなっているため、これらのスキルがあれば、それだけでも転職に有利となるでしょう。また、マンモグラフィの読影認定医を資格保持することが、とても重要です。その他には、人間ドッグ施設等の求人募集も多く、既に前線からは離れたけれど…とするベテラン医師にも最適です。

内科系でも求人数が多い科目―消化器内科の需要と医師転職の動向

数ある内科系の中でも、一般内科に次いで求人数が多いと言われているのが消化器内科です。急性期病院のみならず、慢性期病院や小規模の診療所、その他の施設からも常時多くの求人募集入っている消化器内科の市場動向等について、今回はご紹介したいと思います。

内科系でも特に求人数が多い消化器内科

前述の通り、消化器内科は一般内科に次ぐ求人数の多さと言われていますが、その理由は非常に数多くの施設において高いニーズがあるためとみられます。総合病院はもちろんのこと、小・中規模の病院、健康診断や人間ドックの施設などにおいても随時募集がかけられているため、医師転職サイト等で求人を探せばかなりの求人募集をみかけることができます。消化器センターや内視鏡センターなどを擁しているような大規模病院の場合は、中でも若手を募集するケースが散見されていますが、逆に小規模の病院や診療所では高いスキルをもった40代以降の中堅・ベテラン医師を補充という形で探しているケースが増えてきます。

内視鏡検査や治療の経験数が医師の選考基準となる

このように全国的にも高い需要があるとされる消化器内科ですが、基本的な選考基準として挙げられるのは「内視鏡検査や治療における症例数」とされているため、このような経験をお持ちでなければ、転職時には選考で選ばれる可能性は非常に低くなるでしょう。
特に中規模、大規模の病院であれば、概ね消化器系を専門とする外来を備えているものですが、若手が採用される傾向の見える一方、専門性に特化した医師の採用も進んでいるのです。
上部・下部内視鏡ができる医師であればニーズが高く、その他には胸部、心電図等の読影ができるとなお良いとされます。消化器内科に関して気を付けて頂きたいのが、求人数が非常に多いからといって「採用に関わる選考基準がゆるい」わけではありません。実際には、医師に求められるスキルは医療施設によって大きく異なります。そのため、自身のこれまでのスキル等を元に、各施設の傾向を読み解きながら、求人を絞り込んでいくことが必要と言えるでしょう。

消化器センターなどでは即戦力となる医師が必要

専門性の高い機関、例えば専門を標榜しているクリニックや、消化器センター等の医療機関では、即戦力となる医師のニーズが高いことは容易に想像ができるところですよね。このような医療機関を目指す場合には、症例をしっかりと積んだ医師でなければ選考基準外となってしまうのです。
消化器センターなど、消化器系に特化した医療機関の求人選考では、募集枠が1つしかないにも関わらず、候補者が多数というケースが非常に多くなっています。そのため、どのような選考基準があるのかを十分に見極める必要があるのですが、そこで大きなポイントになるのが内視鏡検査、治療における経験数と言えます。求人に置応募する前には、あらかじめご自身の検査および治療に関する件数等を即答できるよう、事前に整理しておくことをお勧めします。また、応募にはベテラン医師が集まる傾向もみられますので、自身が即戦力となることを十分にアピールするための材料を適切に用意しておかなければなりません。また、専門性の高い求人を探す際には、応募を検討している場所が何の認定施設となっているのかも確認し、ご自身の方向性に合った施設を検討することが大切です。

小規模病院では一般内科に対応できる必要あり

逆に。小規模の病院ではどのようになっているのかと言いますと、消化器内科医としての専門性も活かしつつ、一般内科にも対応できるような能力が医師には求められることが多くなっています。例えば、外来では消化器疾患以外に関する診察も行うなど、様々な内科疾患の方を受け持つ事を必要とされるなど、多岐に渡る働き方がみられるのです。消化器内科に関しては、一般内科にも対応が可能ということであれば、地域医療に力を入れているような小規模、中規模病院からのニーズは極めて高くなっていますので、ご自身の専門性にそれほど自信がないという方でも、安心して対応することができるでしょう。