専門医のニーズは特に高い科目。呼吸器内科の需要と医師転職の動向

診療科の中では専門医へのニーズが特に高いとされる呼吸器内科。全国的に見てみても、人材が不足している傾向が高まっているという話は方々で聞かれるようになりました。高齢化に伴い、肺がんを含む疾病の増加が発生しているため、今後もニーズの増加傾向は当面続くものとみられています。そこで、今回は気になる呼吸器内科の需要に関する実態と、現在の転職市場に関する動向について、ご紹介してまいりたいと思います。

求人数は内科系で上位の呼吸器内科

呼吸器内科ですが、実は内科系においては求人数が上位とされています。前述の通り、日本における呼吸器内科のニーズが高まり続けていることがその要因とされますが、中でも死因のトップに絡んでいる肺がんの影響が大きいものとみられます。また、超高齢化社会へと歩を進める中、肺炎での死亡率も急増しており、脳卒中を上回る死因としてランクインした経緯もあるほど。実際、過去に厚生労働省が行った実態調査によれば、必要医師数に対して十分にニーズを満足させている都道府県は東京都、和歌山県のみであったと公表されています。つまり、全国的に呼吸器内科は慢性的な医師不足の傾向が明らかになっているということです。また、その中でも青森、岩手の両県では特に人材不足が深刻だとするデータも出ています。
以上の内容からも分かる通り、呼吸器内科は他の診療科と比較するとニーズそのものが圧倒的に高いため、常勤、非常勤ともに求人数の多い状態が続いています。裏を返せば、医師の売り手市場とも言えますので、ご自身の希望する条件に合わせて転職先を選ぶことも可能です。

呼吸器内科は常勤医の需要が特に高い

内科系の中でも特に求人数が多いとされる呼吸器内科ですが、常勤非常勤を問わず求人が多数掲載されているという情報は先ほどお伝えした通りです。しかし、更に言えば非常勤よりも常勤に関する需要の方が特に高い傾向がみられます。と言いますのも、実は以前に行われたある調査によれば、呼吸器内科に常勤として勤めている医師の数を他科の専門医と比較した場合、なんと30%前後も少ない事が明らかとなっています。そのため、転職を検討されている医師の皆さまには、呼吸器内科医を目指す場合は非常勤よりも常勤としての勤務を目指した方が、より好条件・高待遇を狙う事ができるものと考えられます。

小規模の病院や地方の一般病院では中堅以上の医師が求められる

転職する際にご注意頂きたいのが、呼吸器内科医の需要が高いと言っても、そのニーズは医療機関によって異なるということです。特に気にとめておいて頂きたいのが、比較的小規模な運営を行っている病院や、地方における一般病院では、求められている医師像がある程度明確となっています。具体的な傾向としては「10年以上の経験を持つ医師」を募集していることが多いため、医師としてはベテラン、あるいは最低でも中堅以上の医師が必要とされている事が分かります。また、近年では急性期のみならず、慢性期医療においても呼吸器内科医の活躍の場は広がっています。高齢者医療や、慢性期の医療においては呼吸管理が要されるケースが多く、このような要因からも、呼吸器に一定以上の強みを持つ呼吸器内科医が求められている事が分かります。また、今後は同様のニーズが増加するものと考えられますので、念頭においておいた方が良いでしょう。

呼吸器内科は専門医のニーズが高く転職に有利

以上のように、呼吸器内科医に関するニーズそのものは全体的に膨らんできているのですが、あくまでも医療機関の規模、エリア等によってそのニーズが著しく異なるケースが多いという事実は意識しておかなければならないでしょう。その中で、今注目が集まっているのが呼吸器内科の専門医です。前述のように、慢性期医療を始め、療養型の病院や在宅医療等では、呼吸器管理を必要とする患者が多くなっています。このような医療機関では、専門医のニーズが特に高まっていると言えるでしょう。また、総合病院においても同様です。
もし専門医の資格を既にお持ちであれば、上記の内容を参考にして頂ければ、転職時に有利に運ぶことができるでしょう。

常に医師不足の神経内科。神経内科の需要と医師転職の動向

国内全域にて、慢性的な医師不足の続く神経内科。国内の神経内科専門医はおよそ5000名程度とされていますが、この数は医師の総数からみると僅か2%程度となっており、神経内科医の総数そのものが圧倒的に不足しているであろう事実が推察されます。では、上記のような事情より極めて高いニーズがあると考えられている神経内科の需要、そして転職に関する市場動向についてご紹介してまいります。

神経内科は全国的に深刻な医師不足が続く

冒頭に少しご紹介させて頂きました通り、神経内科医は全国的に深刻な医師不足が続いています。実際に医師求人サイト等から神経内科医の求人に関して検索を行うと、まとまった量の情報が出てくる状態が慢性的に続いています。全ての施設において不足している、というわけではありませんが、神経内科医の常勤が安定して充実している医療機関は全国でも少数ではないかとも言われているのです。

脳神経外科系病院などの医師求人募集が多い

単純に、神経内科の医師求人を探すにあたり、需要の高い場所を狙いたいと言うのであれば、脳神経外科系病院などは中でも医師求人の募集が多数掲載されていますので、そちらがお勧めです。ただ、神経内科に関する医師求人の募集が多いとは言え、皆さん自身にも「ご自身のニーズ」があるでしょうから、市場動向をじっくりと捉えながら、ご自身の思い描かれるキャリアパスと照らし合わせてみるのが賢明でしょう。
つまり、需要も大切ではありますが、転職に対して何を求めているのかによっても応募先の幅が変わってきますよね。例えば、専門医資格を活かすとして、脳血管障害、パーキンソン病や認知症等等と向き合いたいのか、あるいはリハビリテーション系や在宅医療等の分野における活躍を目指しているのか、そういった部分もあらかじめクリアにしておいた方がいいでしょう。

ただ、需要という点からお話をするのであれば、基本的には大都市圏を中心に、前述の通り脳神経外科系病院であったり、リハビリテーション病院での求人が多数掲載されやすい傾向があります。また、その中でもパーキンソン病や、神経リハビリ、てんかん等を対象に専門分野があるのであれば、転職には非常に有利と言えるでしょう。近年、脳に機能障害を持つ高齢の方が著しい増加傾向にあるため、神経内科に関しては全般的に需要が高まり続けています。上記のような求人傾向はみられるものの、必要となるスキルはあらかじめ明確でありますので、ご自身のスキルに応じて転職先を選ぶことになるでしょう。

需要が高いため転職の選択肢が多い

前項でもお伝えした通り、基本的に需要が高いため、神経内科での転職ということであれば選択肢は広がっていると言えます。ただ、医療機関によって医師に求めるスキルが異なることから、ご自身の経験や実績が問われる場面は多いでしょう。専門的な症例に関する実績によって、転職先がある程度決まってくる傾向があるということですね。特に、ALSやパーキンソン、アルツハイマーなどの認知症といった分野に関する経験を持っていれば、転職先の幅はかなり広がるでしょう。
また、売り手市場が続いているため、転職先に関しては勤務条件を優先で選ぶことも可能と考えられています。特に、リハビリ系の施設では当直やオンコール対応の必要性等も少なく、プライベートを優先したい医師が希望するケースも少なくありません。
ちなみに、神経内科以外には専門医のニーズが特に高い科目として、呼吸器内科が挙げられています。

医師の転職、失敗しないために。医師転職に大切な3つのこと

転職に成功や失敗というフレーズはつきものですが、これは医師の転職においても基本的に相違ありません。転職活動に関しては、個人それぞれの考え方があるため一概に何が正しいとハッキリしたお答えを返すことは難しいかもしれませんが、それでも様々なリスクを軽減するための働きかけを行うことはとても大切です。
そこで、今回は後になってから「失敗した」と感じることのないよう、医師転職の際に弁えておいていただきたい3つのポイントについてご紹介したいと思います。

失敗してからでは遅い医師転職

失敗してからでは遅い、という経験は皆さんも一度や二度は感じられたことがあるのではないでしょうか。
後悔先に立たずという言葉の通り、後になってから反省を促されたことは皆さんもあると思います。
失敗には大きく分けて2つのパターンがあると考えることができます。1つは失敗を成功の糧にできるパターン。失敗はしてしまったけれど、二度としないようにしようとポジティブに向き合えるパターンです。2つ目は失敗した体験がそのまま尾を引くパターンです。気持ち的には折り合いがついても、現実的には過去に戻ることができませんから、先々まで響いてきます。
また、医師転職は1度の体験が将来的なキャリアへと結びついていくもの。安易に転職をすることができない場合も多く、一度失敗すると取り戻すことが非常に厳しいのです。転職なんて誰でも気軽に行うものだから…と簡単に考えてしまうと、後になってから「取り戻しのつかない状況」に追い込まれてしまう可能性もありますので、気持ち的に意識して頂きたいところです。

①あらゆる方法で情報を収集すること

では具体的なポイントの紹介に進んでまいりますが、1点目は情報収集に関する事です。医師転職に関しては、これまでも多くの経験ある医師が転職する際に必要なこととして「事前の情報収集を怠らないこと」を挙げています。情報収集は詳細であるほど良いとされますが、具体的にはご自身のキャリアプランに関する事情や、診療科目別の市場動向、希望する勤務地の医療情報全般などが挙げられます。情報を探す方法は様々で、人に聞く、ネットで検索する、医師専門コンサルタントなどに相談するといった方法をとる事も可能です。いずれにせよ、様々な方法を駆使してでも「より多くの情報を収集する」方が、転職に有利になることは間違いありません。

②転職前に実際に病院へ足を運ぶこと

2点目として挙げたいのは、転職前には実際に希望する医療機関へと一度足を運ぶことです。多くの医師は、医師転職サイトなどを利用する際に数多くの求人情報の中より希望する案件を探しだします。あるいは、紹介してもらう機会も少なくはないでしょう。そこでは、掲載されている様々な条件面、待遇面に関する部分から、相手先医療機関が求めている医師像、ご自身のスキルとのマッチングなど、細かな部分まで確認し合う作業が続くわけですが、実際には面接に至るまで相手先の医療機関に足を運ぶ機会がない、ということも少なくありません。しかし、あなた自身が満足いく転職を行おうと思えば、面接に至るまでには希望する病院に足を運び、体感してみることが大切です。病院の雰囲気、スタッフや医師を見れば自ずと感じることもあると思います。緊張感が強く、厳しい状況にあるのか、あるいは比較的スタッフ同士の仲が良く、連携が上手にとられているのか、何かしら感じることができるでしょう。実際に、私たちは条件面の合致だけで働いているわけではありません。働きやすさ等も、非常に大きなファクターなのです。

③医師転職サイトを積極的に利用すること

3点目は、医師転職サイトを活用することです。転職と言えば、紹介を思い浮かべる方も多いと思いますが、ご自身の納得いく転職をと考えておられるのであれば、まずは医師専門の転職サイトを利用することがお勧めです、登録や利用にかかる費用は無料であり、相談などにも気軽に応じてくださいます。そのサイトで転職を決めなければいけない、という訳でもありませんので。まずは情報収集や、自身のキャリアに関する相談を兼ねて一度利用されてみることをお勧めします。